【タイを知る】タイのお財布事情②【地域別】(第五回)

家計消費支出(地域別)

タイのお財布事情。第2回は、地域別の支出について。まず、2015年の家計消費支出を2009年と比べると、最も 成長率が大きかったのは、タイ語でイサーンと呼ばれる「東北部」の39%成長。ラオスとの国境に近く、タイで最も貧困な地といわれてきた「東北部」ですが、近年、経済的に大きく成長していることがわかります。

タイ地域別家計消費支出

続いて、前回のコラムで支出内訳が伸びていた4項目をみると、「家賃・家具」「交通費・通信費」は、「バンコク圏」が圧倒的に高く、「タイ全土」の1.5倍以上です。都市部の生活費が高いのはどの国も同じようです。一方で「パーソナルケア」「アパレル」といった個人的な支出額には、都市部と地方でさほど大きな差はみられません。

タイ地域別家計消費支出_2
出所:タイ国家統計局「家計社会経済統計」(2015)

家賃・家具の内訳(地域別)

次に、支出内訳をみてみましょう。「家賃・家具」では、「バンコク圏」をはじめ、都市が点在する「中央部」「南部」は、やはり「1.家賃」の比率が高く、「2.住居の推定賃貸価値」とあわせると、約6割が「住居の賃料」であることがわかります。また、全体に占める割合は低いものの「7.サービスワーカー」は、「バンコク圏」が3%と「タイ全土」の約2倍。家政婦やベビーシッターなど、家事サービスにかかる支出が多いのではないでしょうか。


出所:タイ国家統計局「家計社会経済統計」(2015)

交通費・通信費の内訳(地域別)

次に、「交通費・通信費」の内訳です。「1.車の購入」「2.車の維持メンテナンス」をあわせた「車の所有」にかかる支出は、「バンコク圏」では約35%にとどまり、所得が低い「東北部」では約5割を占めています。地方部では、依然として「夢のマイカー」であることがうかがえます。一方、「4.特別な旅行・ツアー」は、「バンコク圏」で1割強を占めています。タイ人の渡航先として、一番人気があるのは「日本」だそうなので、バンコク圏以外の方にも来日していただきたいですね。


出所:タイ国家統計局「家計社会経済統計」(2015)