【タイを知る】タイの建築許可数(第17回)

今回のテーマはタイの建築許可数です。「Statistical Yearbook Thailand」提供の情報を元に、2012年から2017年のデータを地域別、建築物の種類別等で比較してみます。

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まずは、タイ全土における建築許可数を2012年と2016年で比較してみると、「住宅」が20万件以上と圧倒的に多いものの、2016年で5%程度減少しています。伸び率に着目すると、「商業ビル」は1割ほど減っていますが、「産業ビル・工場」は2012年比で120.7%、「ホテル・レストラン」は164.5%と、「ホテル・レストラン」の伸びが非常に大きいことがわかります。

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次に、「産業ビル・工場」の建築許可数を地域別にみると、「バンコク近郊」と「東部」で伸びていることがわかります。 タイの工業団地の発展は、従来、バンコクを起点とし「北のアユタヤ県側」と、「東側の東部臨海工業地帯側」への二極化がみられましたが、2011年にタイ北部・中部で未曾有の大洪水が発生したため、被災した企業が「プラチンブリ県」などの東部に避難してきたことにより、「東部」が伸びたものと思われます。

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最後に、「ホテル・レストラン」の建築許可数を地域別にみると、「南部」において大幅に伸びています。南部は「第1次産業(農業、林業、漁業)」が盛んな地域ですが、加えて「プーケット」や「サムイ島」などの世界的に有名なビーチリゾートを有しています。GDPを地域別にみると、南部の「ホテル・レストラン」の構成比(11.7%)は、全国平均(4.4%)を大幅に上回っており、観光業の魅力が今後より高まっていくことが期待されます。