【タイを知る】タイの医療費支出(第13回)

今回の「タイを知る」はタイの医療費支出の推移に着目してみました。経済産業省の「医療国際展開カントリーレポート」やタイ国家統計局のレポートを元に、2007年から2013年のデータを比較してみました。

上の棒グラフは家計に占める医療費の割合、一人当たりの医療費の推移を示しています。一人当たりの医療費は2013年で約264US$で、2007年の2倍程度まで増加しています。
家計に占める医療費の割合も、2013年では14.5%で、2007年の8.3%から大きく増加しています。

では、医療費増加の原因は何なのでしょうか。考えられる大きな原因の一つに高齢化が挙げられます。2014年高齢者の比率はタイ全土で約15%であり、2007年より4.2p上昇しています。地域別にみると、バンコク以外の地域、特に「東北部」と「北部」で高齢化が進んでおり、介護費の増加などが医療費増加の一因として考えられます。

もう一つの大きな原因として、生活習慣病患者の増加が考えられます。「生活習慣病患者数」と「飲酒経験者数」の上昇に合わせるように「一人当たりの医療費」も増加しています。特に、生活習慣病患者数は、2015年に2009年の約1.7倍ほどになっています。今後は生活習慣病患者の増加により、健康志向の食品や医薬品などの需要が増加していくのではないでしょうか。