ハイブリッドカーの出現により、多様化へ
前回は消費者のライフスタイルの多様化に合わせ、「かわいい、燃費がいいコンパクトカー」の人気についてでした。
その後、2009年にトヨタが「カムリハイブリッド」を生産開始し、2010年には、ハイブリッドカーの「プリウス」の生産をタイで開始しました。
トヨタ「カムリハイブリット」
トヨタ「プリウス」
当時は、健康志向の高まりでジョギングやロードバイク(自転車)が流行り始めた時期でもあり、オーガニックの野菜なども、スーパーの店頭で増え始めた時期でもありました。
そんな時代を背景に、ハイブリッド車がデビューしましたが、当初ハイブリッド車に飛びついた消費者は、「環境に良い」「燃費が良い」などよりも、新しい技術であることに「目新しさ」を感じたことが主な要因かと思います。
大型セダンからSUVやコンパクトカーまで、ボディーカラーも様々な広がりを見せていますが、すべては消費者視点からすれば、「カッコ良く/スマートに乗りこなす」ことがベースにあるのだと思います。
タイ政府の投資奨励策の一環として、ハイブリッド車やEVなどの開発や生産が活性化しており、ホンダは日本国内向けのハイブリッド車の生産をタイに移管することを決定したようです。トヨタやマツダでは、タイでの電気自動車の生産も検討しているようですが、今後消費者の意識や理解がどのように追いついてくるのか、現在のところ不透明であるように思います。
SUVやコンパクトカーの出現、またボディーカラーの多様化などで、消費者ニーズは多様化しつつありますが、ハイブリッドやEVなどの機能面における差別化が、タイ人の自動車ニーズにどの程度ささるかは、今後の市場を興味深く観察していくことが必要ではないでしょうか。