【タイを知る】タイの住宅事情(第12回)

今回のテーマはタイの住宅事情です。2000年、2010年、2015年のデータを比較して、タイ人の住宅の所有形態、世帯構成人数、居住している住宅のタイプなどがどう変化してきたかについてまとめてみました。

長らく持ち家指向が強く、2001年には国民の約8割が土地付き住宅(持ち家)に居住し、賃貸は1割程度に留まっていたタイですが、2015年でみると、土地付き住宅の所有率は低下し、賃貸住宅に住む人が増えてきています。

世帯構成人数の変化を見ると、全国の一戸あたりの世帯人数は、2000年の3.8人から2010年では3.1人にまで減少し、バンコクなどの都市部だけでなく、地方まで含めて急速な核家族化が進んでいることがわかります。核家族化が、持ち家から賃貸への移行の一つの要因となっていると考えられます。

居住住宅タイプでみると、全国的に戸建て居住者が減少し、長屋やタウンハウス、フラット(日本語のマンション)などの集合住宅が増加しています。「北部」や「北東部」では、依然として戸建てが根強いようですが、バンコク周辺では戸建て居住者は3割強にとどまります。また、この15年で集合住宅化が最も進んだのは「中部」で、9p以上も増えています。今後も「中部」や「バンコク周辺」といった都市部を中心に、集合住宅が増加すると予想されます。