【タイを知る】バンコク vs タイ全土のお財布事情(第四回)
今回は、気になる「お財布事情」をみてみたい。まず、一世帯当たりの「家計消費支出」をみると、タイ全土では、2009年調査(注1)で14,244バーツだったのに対し、2015年調査では18,431バーツと、約130%も支出金額が伸びている。一方で、「バンコク圏」(注2)では、24,695バーツ(2009年)から26,719バーツ(2015年)と、成長率は108%にとどまる。「お財布」そのものは、バンコクの方がタイ全土よりも1.4倍強大きいものの、「成長率」でみると、地方部での生活レベルが急速に高まっていることがうかがえる。
注1:2009年平均は、1バーツ=2.81円 2015年平均は、1バーツ=3.62円。
注2:「バンコク圏」とは、バンコク都、ノンタブリー県、パトゥムタニ県、サムットプラカーン県
図1:タイ全土とバンコクの家計消費支出額比較
出所:タイ国統計局「家計社会経済統計 (2009/2015)」
内訳(図2)をみると、支出の割合が高いのは、タイ全土、バンコク圏とも「食品・飲みもの」「家賃・家具」「交通費・旅費」で、この3項目で全体の約85%を占めている。ただし、2009→2015年の支出割合の伸びをみると(図3)、バンコク圏だけでなく、タイ全土でも、「パーソナルケア」や「アパレル」といった、個人のライフスタイルに関する項目が伸びている。今後は、地方部においても、
より一層、個人消費にかける費用が高まることが予想される。
図2:タイ全土とバンコクの家計消費支出内訳
出所:タイ国家統計局「家計社会経済統計 (2009/2015)
図3:2015年に家計消費支出に占める割合が伸びたもの
※背景色「黄色」は、2015年の家計消費支出に占める割合が2009年と比べて伸びた(一部横ばい)項目
出所:タイ国家統計局「家計社会経済統計 (2009/2015)を基にクロスマーケティング・タイにて作成