【自動車の消費者トレンド20年史 その2】
前回、タイにおける自動車の消費トレンド20年史 第一回 を掲載してから、早くも2ヶ月が過ぎてしまいました。(【自動車の消費者トレンド20年史 —その1】)
その間に、40回目となるモーターショーも開催され、昨年と比較すると約3%増という結果であり、2年連続で販売台数を伸ばしている。
うちわけを見ると、トヨタが販売台数トップで、それに次いでマツダが2位、SUVが全体の3割を占めていたようだ。
このあたりに消費者ニーズの多様化や価値感の変化も見うけられるのではないでしょうか。
一方、バイクに関しては、昨年と比べると約10%減という結果で、バイクについても新しい価値訴求が今後求められるのではないでしょうか。
余談ですが、バンコクで最初のモーターショーは1979年だったそうです。
さて、前回はゴールドのセダンが主流であり、「自家用車所有=ステータス」だった時代の話でしたが、その後、~自家用車ニーズ多様化の芽生え~となったようです。
2000年以降、アジア通貨危機からの経済の立て直しが進められ、日本食ブーム、ペットボトル入りの緑茶飲料など健康を意識した飲料や食品などが市場に現れ始め、消費者ニーズは多様化の兆しだったようです。
また、現在では日常的に目にするようになりましたが、バンコク市内には、フィットネスクラブのチェーン店が出現しはじめ積極的なキャンペーンなどをおこなっていたということです。
仕事へ行く前や仕事帰りに、フィットネスで汗をかくなどというライフスタイルも、ちょっとしたステータスとなり、流行った時期でもあったようです。
バンコクでは、BTS が1999年12月5日の国王誕生日に開通し、交通手段にも選択肢が広がり始めた時期でもありました。
それに伴い、自動車も、 ホンダがSUVタイプのCR-Vの発売を開始。しかもイメージカラーはワインレッド。今までの自家用車といえば「ゴールドのセダン」という常識を覆すものでした。一方でトヨタもスポーツライダー(現在のフォーチュナーの前身)を発売しました。
これらのSUVタイプの販売価格は、100-120万バーツであり、乗用車であれば、日産セフィーロ、ホンダアコードなどの高級車と同じ価格帯でした。
ベンツなどの高級車を持つ家庭のセカンドカーとして、またカローラクラスから、ワンランク上の車への乗り換えを検討する、比較的若いユーザーなどに人気があったようです。
「ステータス」としてのゴールドの乗用車から、都会でもスマートにSUVを乗りこなすことにも価値が見出され始め、消費者の自家用車に対する嗜好の多様化が芽生え始めた時代と言えるのではないでしょうか。